我が青春のPC−9800シリーズ

NECが1982年10月に発表し、一時期は圧倒的シェアを獲得して一時代を築いたパソコン、PC−9800シリーズ。
しかし時代の流れを受けて、NEC自体も受注を今年(2003年)9月末で終了すると、本日(2003年8月7日)付けで発表がありました。
実質的には“PC−98”の時代は既に終了していますが、いよいよ本当に終わってしまうんだなといった感じです。

私にとってPC−9800シリーズは、これまでの人生を実際に大きく変えたほどのインパクトがありました。
これを機会に、今まで所有してきた機種と、現在所有している機種をまとめてみてみようと思い立ちました。
(過去に集めたカタログや資料、時には記憶を元にしていますので、違っていたらごめんなさい)

ちなみに今まで一度でも所有したPC−9800シリーズは計21台、本体だけの標準価格では実に925万5千円にもなります。

過去に所有したデスクトップ機

過去に所有したノートパソコン

現在所有しているデスクトップ機

現在所有しているノートパソコン

<改版履歴>

2003年8月7日初版
 掲載範囲は「過去に所有したデスクトップ機種」のみ

2003年8月8日二版
 初版の所感を全体的に増補、PC−9801UV11追加、「過去に所有したノートパソコン」追加、ページレイアウト若干変更

2003年8月8日三版
 「現在所有しているデスクトップ機」「現在所有しているノートパソコン」追加。この版をもって、一応の完成とする

2003年8月21日四版
 所感の一部を修正

2004年4月05日五版
 所感の一部を加筆・修正

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過去に所有したデスクトップ機(現在は非所有)

型番 PC−9801 発売時期 1982年10月 標準価格 \298,000
CPU 8086−5MHz RAM 128KB
所感 まずは初代98。
これに、PC−9881という外付け8インチFD2基のドライブユニット(標準価格\388,000)と、PC−8853KというCRT(\168,000)、これに第一水準の漢字ROM、カセットインタフェース、ミュージックジェネレータボード(サウンドボードではない!)、増設RAM(512KB)を接続していました。
プリンタは、NECのNK3618−22(カタログ紛失につき価格不明)というドットインパクトプリンタを加え、総額では軽く100万円を超えていました。
私にパソコンの基礎を教えてくれた機種です。
ちなみに高速化チューニングの基本として、V30への換装と数値データプロセッサの搭載もやりました。
この初代98はROMが拡張スロット#6に拡張ボードとして存在していて、ロットによってだんだんジャンパ線が少なくなっていきました。
そのROMもBit−INNなどで無償で修正版に交換してくれた記憶があります。
型番 PC−9801VX21 発売時期 1987年7月 標準価格 \433,000
CPU 80286−10/8MHz、V30−10/8MHz RAM 640KB
所感 初代98の次に買ったのがVX21。
グラフィック画面の違いから、初代98では動作しないソフトもこの頃増えて来たのも買い増しの一因でした。
また、当初はデジタルRGBのPC−8853Kを使っていましたが、パソコン本体のアナログRGB化に伴ってCRTもNECのPC−TV451Nという、当時14型が主流の中で15型のものも買い増ししました。
尚、初代98はこの時パソコンとしてではなく、巨大なACアダプタとして単に8インチFDに電源を供給するだけの役目を果たすことになりました。
拡張スロットには、メルコ社(現バッファロー社)製の4MBのRAM(ACアダプタでRAMディスクとして使用)2つ(10万円くらい)を接続し、後にEMSメモリも追加増設しました。
この機種までは汎用拡張スロット(Cバス)にメモリを増設するしかなく、この後継機(PC−9801RX2等)からメモリ専用スロットへの増設が一般的となってきます。
EPSON互換機の登場や、メモリアクセスノーウェイトなどの話題が懐かしく思い出されます。
型番 PC−9801RA21 発売時期 1989年11月 標準価格 \498,000
CPU 80386−20/16MHz、V30−8MHz RAM 1.6MB
所感 私が購入した初の32ビット機です。
Windows/386のVer2.11が快適に動作するのを見て、すごいっ!と感動したのを覚えています。
尚、このRA21購入に当たり、初代98と8インチFDユニットを各2万円ずつで中古屋さんに売ったのですが、今となっては後悔しています。そのまま保存しておけば良かったー!!
この頃から高速化チューニングも一般に広まり、バリバリチューニングを略してバリチューと言っていたような気がします。
型番 PC−98XL2 発売時期 1987年10月 標準価格 \988,000
CPU 80386−16MHz、V30−8MHz RAM 1.5MB
所感 PC−9800シリーズ初の32ビット機。
ハイレゾ機が欲しくて、でも当時のハイレゾ機は高くて、当時型落ちの中古品を15万円くらいで購入したような覚えがあります。
でも、ハイレゾ対応のCRTがやはり高くて入手を断念し、それに伴ってこれも比較的短期間で売ってしまいました。
型番 PC−9801UV2 発売時期 1986年7月 標準価格 \318,000
CPU V30−10/8MHz RAM 384KB
所感 一世を風靡したPC−9801VMの3.5インチ版とも言える機種。
これも中古で買ったけれど、この後すぐにPC−9801UV11が中古で入手出来たので、すぐに売ってしまった不運な(?)機種。
型番 PC−9801UV11 発売時期 1988年3月 標準価格 \265,000
CPU V30−10/8MHz RAM 640KB
所感 UV2に比べ、同じV30−10MHzでもこちらはメモリアクセスノーウェイトで、若干の高速化が図られていました。
コンパクトな縦置きも可能なボディ、、8086/V30系CPUとしては最大の640KBのメモリを最初から搭載など、魅力的なモデルでした。
実はこれも中古で買ってやがて手放してしまいましたが、愛着が捨てきれず、後年に同型機を再購入しています。
型番 PC−9821As/U2 発売時期 1993年2月 標準価格 \448,000
CPU 486DX−33MHz RAM 3.6MB
所感 NESAバスに似た形状のローカルバスと、これの前モデルであるPC−9801FAから採用されたファイルスロット、そして98マルチの愛称の初代PC−9821アーキテクチャを引き継いだモデル。
サウンド機能(PC−9801−86相当)も初めから搭載されているなど、Windows、マルチメディアを意識したパソコンでした。
カノープス社から出たPowerWindows928II/LBという、ローカルバス対応のグラフィックアクセラレータボードを購入し、当時はWindows3.0/3.1の時代でしたが、当時なりに速かったですね。
98アーキテクチャの14.6MBの壁もこの機種で最後でした。
この機種は後に486DX2−66MHzのODPに載せ替えました。
型番 PC−9821An/U8W 発売時期 1994年5月 標準価格 \610,000
CPU Pentium−90MHz RAM 7.6MB
所感 Pentiumプロセッサは当初、発熱がうんたらかんたらと問題になりましたし、計算ミスをするプロセッサであることも有名になりました。
計算ミスについてインテル社はパソコンメーカを通して無償交換を発表しましたが、私は交換するのも面倒くさかったので、交換はしませんでした。
MS−DOSベースの古いゲームでは、むしろ速すぎて正常に動作しない(動作自体は正常でも人間の操作が追いつかない)ソフトも目立ち始めました。
この頃からDOS/V(というより、PC−ATアーキテクチャ互換機)勢力が急速に拡大し、しばらく98vsATという図式が盛んに取りざたされました。
98アーキテクチャ最後のベースクロック周波数(66MHz)まであと1割の60MHz機。
合計 延べ8台、本体標準価格で総額385万8千円。(買値は大幅に異なります)

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過去に所有したノートパソコン(現在は非所有)

型番 PC−9801N 発売時期 1989年10月 標準価格 \248,000
CPU V30−10MHz RAM 640KB+RAMドライブ
所感 初代98ノート。
発表当初は3.1Kg(2.9Kgだっけ?)の質量とデスクトップ機と同じフォントの漢字ROMを搭載するアナウンスがあったけど、いざ発売されてみると2.7Kgに軽量化され、フォントも液晶用に新たに開発したものを搭載した経緯が。
当時は職場に1人1台のパソコンがなかった為、職場に持ち込んで使っていました。
見せびらかすつもりじゃなかったけれど、鞄に入れずにそのまま持ち歩いて使っていましたが、落とした時の事を考えるとちょっと無謀だったかな?
RAMドライブは1.25MBのFD互換ですが、搭載RAMの端数の関係で若干RAMが遊んでいる事に目をつけ、もうひとつの小型RAMドライブとして有効活用するフリーソフトが出回りました。
ところがその端数も微妙なマイナーチェンジごとに徐々に少なくなっていき、ユーザ間で利用可能なRAM容量が異なっていました。
型番 PC−9801NV 発売時期 1990年11月 標準価格 \248,000
CPU V30HL−16/8MHz RAM 640KB+RAMドライブ
所感 レジューム機能とセカンドバッテリパックが初めて搭載された機種。
内蔵のRAMドライブや、増設のメモリ(これもRAMドライブとして使用)にもレジュームが適用されるため、小容量のハードディスクとして使っていました。
セカンドバッテリパックを搭載しても質量は2.98Kgで、その時のバッテリ駆動時間はカタログスペックで3.8時間を誇っていました。
型番 PC−9801NS/E 発売時期 1991年6月 標準価格 \278,000
CPU 386SX−16MHz RAM 1.6MB(うち、1MBはRAMドライブとしても使用可能)
所感 ノートパソコンで32ビット、ノートパソコンでHD内蔵!
これは前機種のPC−9801NS−20で既に実現していましたが、発売当初は品不足で入手が困難でした。
そこでHDを内蔵していないPC−9801NSに、改造でHDを内蔵する業者まで現れましたね。
ところがNS後継機のこのPC−9801NS/Eは、最初から潤沢に市場に出回った事を覚えています。
型番 PC−9801NS/T 発売時期 1992年1月 標準価格 \288,000
CPU 386SL(98)−20MHz RAM 1.6MB(うち、1MBはRAMドライブとしても使用可能)
所感 CPUの型番が示す通り、インテル社がNECの98の為に設計したプロセッサ。
NECもインテルもこのCPUには苦労したようで、「もう二度とやらん!」と言ったとか言わなかったとか。
このCPUの設計思想は、後の486SX(J)に活かされます。
初代98ノートでも書いたように、この当時は職場に持ち込んで使うことが多く、無駄な残業時間を大いに減らす事が出来ました。(独身だし、生活残業の必要ないし、お金よりも時間が貴重!)
型番 PC−9801NA/C 発売時期 1992年10月 標準価格 \498,000
CPU 486SX−20MHz RAM 3.6MB(うち、1MBはRAMドライブとしても使用可能)
所感 私が初めて購入したカラー液晶ノートパソコン。
この当時のノートパソコンはバッテリバックやHDの設計に互換性を持たせてあることが多く、買い換えの時もHD非搭載モデルを買って前モデルで使っていたHDをほぼそのまま新機種に流用出来ました。
ちなみにカラー液晶は常時点灯、ドット欠けがつきものですが、この機種を含めその後購入した全てのカラー液晶搭載ノートパソコン(PC−9821Ne、PC−9821Ls150、初代LOOX(おっと、これは富士通社製だ!))でも、一度たりともそのような状態に遭遇したことがありません。
運が良いのかな?
合計 延べ5台、本体標準価格で総額156万円。(買値は大幅に異なります)

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現在所有しているデスクトップ機

型番 PC−9801UV11 発売時期 1988年3月 標準価格 \265,000
CPU V30−10/8MHz RAM 640KB
所感 一度は手放したPC−9801UV11ですが、昔のゲームがやりたくて再度中古屋で購入しました。
現在は友人宅に長期貸し出し中。
型番 PC−9801US 発売時期 1992年7月 標準価格 \248,000
CPU 386SX−16MHz RAM 1.6MB
所感 PC−9801UV11と同じ縦置き可能なコンパクトボディ。
CPUはサイリックス社の486Dx−32MHzに換装。
CRTやキーボードを接続していなのですぐに使える状態ではありませんが、今でも枕元に置いてあります。
一部のノートパソコンとも共通に使えるHDDが便利♪
型番 PC−9821Xa13/K12 発売時期 1995年11月 標準価格 \318,000
CPU Pentium−133MHz RAM 15.6MB
所感 Windows95発売日に秋葉原で購入。
今でもCPUはK6−III466MHz、GAもVoodooバンシーの8MB、LANにも接続し、使える状態になっています。
一時期は3.5型SCSI−HDDを3基押し込んでRAID5のサーバ機にしていた事も。
出荷開始6ヶ月後の96年5月に、\288,000へと価格改定がありました。
型番 PC−9821Xt16/R16 発売時期 1996年1月 標準価格 \690,000
CPU Pentium−166MHz RAM 31.6MB
所感 SCSI−2インタフェース内蔵、内蔵HDDの他にHDDシャドウベイも2つ分あり、当時としてはサーバ用途を多少意識した機種ですね。
今は倉庫に眠っていますが、一時期はサーバ機として使っていました。
メルコ社(現バッファロー社)やアイ・オーデータ社などから出ているCPUアクセラレータとの相性が今ひとつなのが残念です。
出荷開始4ヶ月後の96年5月に、\640,000へと価格改定がありました。
型番 PC−9821Xv13/W16 発売時期 1996年7月 標準価格 \348,000
CPU Pentium−133MHz RAM 15.6MB
所感 大阪の日本橋で中古で購入。
98アーキテクチャのメインパソコンとして現在も使用中です。
CPUはK6−III+の600MHzに換装、GAもVoodooバンシーの16MBにして、もちろんLANにも接続しています。
ファイルベイが3つもあり、そこに一基5インチFDDを入れていますので、うちは今でも5インチFDはOKです。
出荷開始4ヶ月後の96年11月に、\298,000へと価格改定がありました。
型番 PC−9821Ap2/C9T 発売時期 1993年12月 標準価格 \800,000
CPU 486DX2−66MHz RAM 7.6MB
所感 未使用、未開封の状態で保存してあります。
本当は一時期所有していたPC−9821An/U8Wでそれをやりたかったんですけどね。
プレミアがつくのを待っている訳ではありませんし、売るつもりもありません。
合計 延べ6台、本体標準価格で総額266万9千円。(買値は大幅に異なります)

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現在所有しているノートパソコン

型番 PC−9821Ne 発売時期 1993年7月 標準価格 \588,000
CPU 486SX−33MHz RAM 3.6MB(うち、1MBはRAMドライブとしても使用可能)
所感 9821アーキテクチャを持つ最初のノートパソコン。
PC−9801USなどとの間でHDD互換があるのが便利です。
それにしても、質量3.4Kg(HDD内蔵時は3.6Kg)は重いっ!(でも、当時は通勤時に毎日持ち運んでいたんだよなぁ)
ノーマル時のベースクロックは33MHzなのに対し、純正のODPを装着するとベースクロックが25MHzにダウンし、結果として486DX2−50MHzでしか動作しなかったのは今ひとつですね。
後にサードパーティからDX4−100MHzでのODPが発売されました。
型番 PC−9821Ls150/S14C 発売時期 1997年1月 標準価格 \580,000
CPU MMX−Pentium150MHz RAM 31.6MB
所感 購入当時、PC−9821Nr166かPC−9821Ls150のどちらを買おうかさんざん迷ったあげく、PC−9821Ls150にしました。
今でもその選択は間違っていなかったと思っています。
発売後5年経った時点でも通用しそうな薄型ボディ(但し、CD−ROM/FDDは外付けとなる)は魅力的です。
98型番の純正品では最大47.6MBまでしかメモリを増設出来ませんが、AileNXのメモリを流用することによって、一応はNEC製のオプションでも79.6MBまで増設が可能です。(もちろん、動作保証外)
手持ちのイメージスキャナがWindows95までしか対応しておらず、スキャナ用パソコンとして今でも現役です。
合計 延べ2台、本体標準価格で総額116万8千円。(買値は大幅に異なります)

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