私には、大正6年生まれの父がいます。
平成の時代からすると、いささか時代の流れを感じさせる思考や言動がしばしば見受けられます。
それは時代の流れによるものの他に、父の個性によるものもあるかもしれません。
このコーナーでは、そんな思考や言動を集めてみました。
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※父を含む、お年寄りをバカにするというスタンスではありません。
思考や言動のギャップを“楽しむ”ことで、お年寄りとの接触をより積極的に捉えていこうという発想です。
また、アダルトなアニメ以前のコンテンツは、徒然なる雑記より一部修正の上再録しました。
夜、仕事から帰ると父がこう切り出した。
「あのな、実は昨日の夜、外出先から帰る途中に電話を落としてしもうてな。どうしたらええ?」
「どうするも何も、落し物をしたら警察に届出なきゃ。それと電話会社へ連絡して利用中断でしょ。それらは当然済んでいるよね?」
「いや、どっちもまだ。HIDEが帰ってから相談しようと思って待ってたんだ。それに、携帯電話もあまり使わんし、無くなったのならそのままでも良いんじゃないか?」
何とも信じられない回答。
「もしも電話を拾った人が悪用したらどうするの! 落し物をしたら警察への届出は常識でしょ! それに、失くしたところで基本料金はずっと掛かり続ける事くらい理解できるよね!?」
「だって、電話だから特殊かと思って」
「特殊って何がどう特殊なの?」
確かに警察だけでなく、電話会社へも届出なきゃいけないって点では特殊だが。
「だって、電話だから・・・」
は? もはや意味不明。理解不能。
ともかく、悪用されている可能性を考慮し、まずは電話会社に連絡。
当然、途中で「ご本人様に代わってください」と言われ、父に電話を代わるとしばらくして・・・
「は? いや・・・あなたのおっしゃることが全然理解出来ませんが・・・」
私には父の言うことが全然理解出来ません。
窓口担当の方は「規則上本人の意思確認が出来ないとどうしようもない」と言うし、混乱しているのか父は利用中断の意味すら理解できないし、埒が明かない。
本人が高齢で話が理解出来ない事、私が家族である事を説明(その為の確認手段もいろいろありました)し、ようやく利用中断手続きが完了。
電話を終えた私に、父からとんでもない質問が。
「ところで、何で中断なんだ?」
は? この期に及んでまだそこで引っかかっていたのかっ!?
電話を拾った人が、どうせ自分払いではないからと言って、あちこち電話を掛けまくるかもしれない事。
あるいは電話番号から足が付かない事を良いことに、何らかの犯罪に利用される可能性がある事などを説明。
すると、
「よくそんな事を思いつくなぁ」
と、心底感心した様子。
いや、感心されても困るんだが・・・
「というか、何でそこまで考えないの?」
「だって、拾った人がうちまで届けに来てくれるかもしれないじゃないか」
何を根拠にそんな都合の良い夢みたいな妄想を抱いているのだろう?
もう何を言っても無駄だと悟りました。
人間、年を取るとこうも性善説になって、危機管理意識が低下する事があるのかと。
例えは悪いけれど、悪意を持った人がその気になれば、お年寄りを騙す事など造作もないね。
つまりお年寄りを騙す犯罪者ってのは、裏を返せばお年寄りしか騙せない位の能力しか持ち合わせていないって事か。
そう考えるとその犯罪者は自らの無能を曝しているようなものだな(笑)
父に年賀状が届いた。
はがきの裏には、差出人の電話番号とメールアドレスが書いてあった。
そこを指さして私に
「ここから何が解る?」
と問うてきた。
いきなりそう聞かれても意味が解らない。
とりあえず、
「えっと、電話番号の市外局番から判断すると、広島県内からの年賀状かな」
と答えた。
確かに、差出人住所も広島県内の住所だ。
だが父は
「いや、そうじゃなくて、これ(メールアドレスを指さす)からいろんな事が判るんだろう?」
あ、そういう事か。
例えばメールアドレスがco.jpで終わっていれば、その人の勤務先が判明する可能性がある。
ne.jpだったら、その人の契約しているプロバイダが可能性として判る程度だ。
つまり、メールアドレスから判ることと言えばたかが知れている。
その人は個人の立場で年賀状を出してきていたので、メールアドレスもne.jpで終わっていた。
プロバイダというものを説明し、その程度の事しか判らない旨を告げた。
すると父は
「この人は会社をいつ頃定年退職したとか、今何をやっているとか、そういう事はこの文字からでは判らないのか?」
と聞いてきた。
メールアドレスだけでそんな事まで判るわけないでしょ!
ってか、そんなプライバシーだだ漏れのメールアドレスがあったら、すごく嫌です(笑)
実際にそのメールアドレス宛にメールを出してみれば、返事も来るでしょうし近況も判るでしょう。
そう思って
「電話番号と同じと考えてね。それだけでは何の情報も無いけれど、そこに掛けてみれば(メールを出してみれば)相手が教えてくれるかもよ」
そう説明すると
「わざわざ問い合わせなくてもいい。何だ、この文字からいろんな事が判ると思ったのに」
はっきり言って、無理です!
世の中、大人が観ても充分楽しめるアニメや、大人(社会人)でないと作品の根底にあるテーマ等を理解しづらいアニメ作品は数多くあります。
一方で、私の父は「アニメは子供の観るもの」という概念を持っています。
その概念を改めさせようと、実際に“大人向け”(もちろん18禁ものではなく、マジメな作品)のアニメを見せました。
後日、朝食時に「おい、大人向けのアニメをまた観せてくれんか?」と言う父。
自ら「観たい」という事は、「アニメは子供の観るもの」という概念を改めさせる事にどうやら成功したようです。
・・・が、頼むから「大人向けのアニメ」というのは止めてくれ(笑)
家の中ならまだいいけれど、他人が聞くと誤解を受けそうだから(^^;
父が最近ビデオテープデッキを扱い始めました。
今まで(音楽の)カセットテープをごく普通に扱っていましたから、四角ボタンは停止、右向き三角ボタンは再生、赤丸ボタンは録音(録画)などボタン操作のアイコンやその意味は共通だし、ビデオデッキに「停止」とか「再生」とか日本語で書いてある事もあり、当初は教えるのも楽勝と高をくくっていたのですが・・・実は全然そんな事はありませんでした。
カセットテープでは当然のように“早送り”や“再生”をしていたのに、ビデオデッキになると途端に
「”早送り”の意味が解らん」「“再生”って何?」
と聞いてくるのです。(もちろん、説明する側もされる側も大変な苦労の後、ある程度理解してもらいました)
また、テレビとビデオデッキの両方にチューナーがあって別個に動作する事を何度説明しても、「テレビで映っている番組が録画される」と思ってしまうようで。
だから、「テープに撮った番組が撮りたかったものと違う」というのは日常茶飯事ですし、そもそも録画ボタンを押さずに「何も撮れていないから故障だ」という事もしばしば。
ある時「一時停止ボタンを押しても画面が停まらない」
と言うのでよく聞いてみると、今放送している番組を一時停止したいとの事。
公共の放送を一個人の意志で好きな時に一時停止したり解除したりするのは、例え世界一の金持ちであっても無理というものです。
・・・と、ここで話を終わらせてしまえば単なる笑い話ですが、実はもう少し話が続きます。
私は少なくとも一般的な常識程度には放送や電波の仕組みを理解していますので、それがあるいは固定概念となってしまい、現在リアルタイムで放送中の番組を一時停止したいという発想がそもそも起こりませんでした。
でも、父のような発想をし、実際の商品開発に活かそうという人がいたからこそ、最近のHDDレコーダーによく見られる“追い掛け再生”という機能が出来てきたのだと思います。
追い掛け再生機能を使えば、現在放送中の“画面”(さすがに“電波”ではない)を一時停止して好きな時に続きから再生する事が出来るのです。
物事の道理を知らない人、固定概念に囚われない人の発想というのは、時に技術的・商品開発的に大きなヒントになる可能性を秘めている一例といえるでしょう。
まず最初に、新潟県中越地震で亡くなられた方々のご冥福と、被災された大勢の皆様へのお見舞いを申し上げます。
一刻も早く苦境を乗り越え、安定した生活に戻る事が出来るよう心より願っております。
さて、私の父は一日中(?)テレビにかじりついて地震報道を見ていたのですが・・・
「今度の地震はどこの火山が爆発したんだ?」
世の中の地震は全て火山性のものだと思っていたらしい。
仮に今までそう勘違いしていたとしても、今回あれだけ長時間地震報道を見ていれば、間違いに気付いても良さそうなものだが。
断層やプレートの話をして地震の発生する仕組みを簡単に説明すると、
「儂ぁ機械音痴だからなぁ」
一体誰が機械の話をしたよ?
父に「明日から3日間外出で帰らない。帰ってくるのは4日後の夕方頃になるから」と言った。
もちろんその言葉の意味を父は理解し、カレンダーに印まで付けた。
・・・ところがその日の晩、私の消費分を含めた3日分の生鮮食料品を買ってきた父がいた。
HIDE「明日から3日間いないって言ったよね」
父「知っているよ」
HIDE「じゃあ何でその間の分まで食料を買ってくるの?」
父「だって、その間食べないとは言わなかったじゃないか」
確かに居ないとは言ったが食べないとは言わなかったよ。
でも激しく疑問に思うぞ、それでも私が悪いのかと。
五月にもなると蠅も飛び回る気候になり、文字通り「五月蠅い」(うるさい)という言葉があるのも理解出来ます。
それはひとまずおいといて。
六月になってから、体長1〜2ミリくらいの小さい蠅が目立つようになりました。
我が家は団地の5階であり、例年ですとそんなに蠅はいないのです。
ところが今年は例年に比べると異常に多い気がしていました。
で、ある日台所を掃除していると・・・
いつの間にか父が買ってきて、そのまま忘れ去られた野菜のなれの果てが大量に発掘されました。
野菜はビニール袋に入っていて、下の方には訳の判らない液体状の物質が溜まっていて。
そしてビニール袋の通気用穴から入り込んだのでしょうか、そこには大量の蠅がひしめき合っていたのです。
目の前にあるこの物体の存在をこの世から消したい。
済みません、無かった事にして下さい。
デジカメで写真を撮っておいて、是非とも皆様にお見せしたかったのですが・・・
あまりものショックで、当時はそんな事思いつきませんでしたよ。
よかったですね。お陰で地球の平和は守られました。
ちなみに、この時の野菜は上の解れよ、それくらいでの生鮮食料品ではありません。
野球やサッカー等のTV中継では、ホームランやゴールなどの得点シーンをリプレイする事がよくあります。
・・・が、リプレイの度に「おおっ、またホームランだ!」とか言って驚くことはやめて欲しいぞ。
イラク情勢のニュースに関連して、防弾チョッキに関する話が出ていました。
音声でも映像(文字)でもハッキリと“防弾チョッキ”と放送しているのに、どうして父は爆弾チョッキと言うのでしょうか?
爆弾チョッキって、それじゃ自爆テロだよ(笑)
頼むから、セロハンテープの事をガムテープの小っちゃいやつと言うのはやめて下さい。
いくら親子でも、最初何を指しているのかさっぱり判りませんでした。
「いや、それはセロハンテープと言うんだよ」と指摘すると、
「ガムテープより幅が小さいから、この言い方でいいじゃないか」と、聞く耳持たず。
そこまで自分の意志を貫けるなら、いっそ立派です(^^;
父が「図書館に行って調べものをしてくる」と言い、およそ2時間後に戻ってきました。
何を調べたのかを聞くと、「納骨の時期について」との事。
一冊の本だけではなく、何冊も調べて情報の正確性をより増すあたりは、さすがは元興信所経営者だけあって抜かりがありません。
・・・が、
「そんなこと、私に言ってくれれば1分もかからず調べられるのにー」
と言って同じ事を、父の目の前でインターネット経由で調べて見せました。
もちろん情報源も多数比較し、得られた結果はほぼ同じです。
インターネット経由で調べるという事を思いつかなかった父。(それ以前にインターネットそのものを理解していない)
図書館で調べるという発想がない私。
どっちもどっちですね。
テレビで「日本人は高血圧になりがち」「味噌汁には塩分(高血圧の原因の一つ)が多く含まれている」という情報を得た父。
それ以来、味噌汁の飲み方が変わりました。
1.まず最初のうちは少しずつ普通に飲んで、味噌汁本来の味を味わう。
2.2/3くらいに減ったら、お湯を注いで薄めてまた飲む。
3.もういちど2/3くらいに減ったら、お湯を注いで薄めて、今度は全部飲む。
父は私に対してこう言います。
「いいか、味噌汁は塩分を多く含んでいるそうだから、こうして薄めて飲むようにした方が良いぞ」
薄めたところで塩分の摂取量は変わらないんですけど?
大正生まれの謹厳実直な父は、もちろん家庭内でギャグをかますような人ではありません。
いや、結果としてはギャグになっているんですが、本人は至って“まじめ”です。
先日、父と近所のラーメン屋さんで食事をしました。
食べたのは普通のしょうゆラーメン。
ま、それはそれでいいとして。
後日、父が
「こないだの讃岐うどん、あんまりおいしくなかったなぁ」
は? えっと・・・
「讃岐うどんじゃなくってラーメンでしょ」
「ワシら年寄りにはラーメンとうどんの区別が付くわけ無いだろう」
そうか? そういうものなのか?
激しく疑問に思うぞ(笑)
しかも、何でうどんの中でも讃岐うどんなの?
って言うか、讃岐うどんのつもりでラーメン食ったのか?
そんで不味いと思ったのか?
筆ペンを「ボールペンの太いやつ」というのは日本中でただ一人、私の父くらいのものでしょう。
調べた訳じゃないけれど、自信を持って断言できます。
父はM下製のシェーバーを使っていますが、つい最近専用充電器をなくしてしまいました。
そこで、メーカー直営のショールームにシェーバーを持って行って、「この専用充電器を下さい」と言ったそうです。
まぁそれはそれで不思議なことではありませんが、そのショールームはH立の直営ショールームだったのです。
よくある近所の電器屋さんとかなら看板メーカー以外にも取り扱いをしている事もありますが、100%混じりっけ無しの直営ショールームだったのです。
何でわざわざ他社のショールームに持っていったのかを訊くと、父は「どこのメーカーも一緒だろ?」と。
さすがにこの意識には私も驚きましたが、H立ショールームの受付嬢の対応もなかなかに驚くべきものでした。
わざわざM下の問い合わせ窓口を探して電話してくれて、既に流通在庫も無いってところまで調べてくれたそうです。
おおっ、さすが!
そして帰り際にM下とH立とは別の会社であることを一言説明したそうですが・・・
何で自社製のシェーバーを勧めるなり、カタログを渡すなりしなかったのでしょう?
父「ここにあった酒(日本酒)知らんか?」
母「ああ、断水用に取って置いた瓶でしょ? 減ってたからちゃんと水を継ぎ足しといたわよ」(と言って別の場所に置いてある瓶を指す)
※我が家では、空き瓶に断水用の水を入れる事はしていません
父「あれは新品の酒で2本買って置いてあったでしょーが!」
母「でも、開栓してあったから中身は水でしょ?」※どこからそういう発想が出てくるのだろう?
父「開栓してあったらそれは飲みかけに決まってるだろ!!」
母「だって、中身は空だったから」※記憶の混乱により、母の言うことは一貫していません
父「空じゃない、ほぼ新品だったじゃないか!」
母「水しか入ってなかったじゃないの」※記憶の混乱により、母の言うことは一貫していません
父「あれは酒だよ!もしかして水で薄めたのか?」
母「開栓してあったから、減っていれば水を入れるわよ」※どこからそういう発想が出てくるのだろう?
隣の部屋で聞いていた私は大爆笑。
開栓したばかりのほぼ新品のお酒は、料理酒に格下げと相成りました(笑)
ちなみに私はビール党なので、被害に遭わずに済みそうです。
私の父が携帯電話を持ってしまった。
番号は?って聞くと、「052−○○○○(4桁)」だという。
しかも、電話の掛け方もわからないから、結局固定電話で私に「所有したぞ」と報告(笑)
「説明員の女の子が4桁の番号しか教えてくれなかった。ここは名古屋だから、市外局番は052で間違いない」
のだそうだ。
携帯電話は090で始まる事、3桁+5桁(最近は、4桁+4桁の表記が多い)の体系である事を説明しても、理解してくれたようなしてくれないような・・・。
携帯電話のサポートもこれ以上する気はなく、マニュアル読めば?って放っておいたら、翌日は何と!自力で携帯電話から掛けてきた。
冷たく突き放したのが良かったのかな?
私の親はテレホンカードでさえ「使い方がよく解らない」といって敬遠しているくらいだから、よくぞここまで進歩したとほめてあげよう。
やっぱり老人にハイテク機器は難しい?
私が老人になったら、ハイテクじじいになってやろうと思う。